海底から泥や砂を採取し粒度組成を分析することは,船舶の錨の効き具合や底生生物の生息環境を知る上で必要です。そのため様々な種類の採泥器が使用されてきましたが,従来のものはいずれも重量物で取り扱いが煩雑な上,採取には時間がかかります。一方で,粒度分析機の性能向上で粒度分析のみであれば,スプーン1杯程度でも十分となりました。そこで空中重量1.5kg程度の小型の採泥器があれば,釣竿と電動リールを用いて1人でも簡易に採取可能と考えました。その結果,水深30m程度の浅い海域で,かつ底質が「泥」という条件下では既存の採泥器の代替器として利用できる試作器が完成しました。
Recently, various types of mud samplers are used for collecting bottom sediment. But these are very heavy, and become danger in rough sea condition. The other hand, only about same volume as one spoon as, is need for analysis sediment component. Therefore, we tried to develop a new compact mud sampler which can be operated by a fishing rod and an electric reel. As the result, we can make one prototype compact mud sampler, which is usefulness under the condition of less than 30m depth or actual sedimentation is "mud".
釣り竿と電動リールのみで1人でも手軽に海底堆積物を採取できますので,従来のスミス・マッキンタイヤ型採泥器やエクマンバージ型採泥器と比較して採泥の手間を大幅に軽減できます。
◎企業へのメッセージ
従来の調査船では立ち入ることができない内湾の極浅海域でも調査が可能です。特に粒子径がSiltの領域(75μm未満)で水深が浅いなど条件が良いと採泥成功率は90%にも達します。