研究テーマ ｜ Research theme
自動撮影カメラと漁船を組み合わせた海鳥類モニタリングシステム
Seabird monitoring system using automated cameras and fishing boats
研究者 ｜ Researcher
喜安 千弥
Kiyasu Senya
総合生産科学域
情報データ科学部
教 授
薗田 光太郎
Sonoda Kotaro
総合生産科学域
情報データ科学部
助 教
研究概要 ｜ Research summary
小型のタイムラプスカメラやウェアラブルカメラとGPS測位装置，耐候性ハウジング，バッテリー等を組み合わせた装置を漁船に取り付けることにより，海鳥類の画像と出現位置を自動的に記録する装置を開発しています。アホウドリのように希少な海鳥類の生態把握や，漁業と野生生物の競合関係を含む海洋生態系のモニタリングに役立てることができます。
An automated photographic system consisting of small time-lapse and/or wearable cameras, GPS positioning devices installed on commercial fishing boats has been developed to monitor the distribution of seabirds at sea. The system supports sustainable development of the sea through detecting the important habitats of endangered seabird species and monitoring the impacts of fishing and other anthropogenic activities on seabirds and marine ecosystems.
特色・研究成果・今後の展望
海鳥類は海の生態系の状態を知らせる生態系指標生物として重要ですが，東シナ海における海鳥類の出現や重要生息域に関する知見は極めて限られています。尖閣諸島には絶滅危惧アホウドリの営巣地がありますが，領土問題などにより調査が困難です。本装置を応用することによって，漁船や客船，商船をプラットフォームとしたコスト節約的な海鳥類のモニタリングシステムを構築することができます。撮影された画像に最新の人工知能（AI）技術を応用した画像解析を行い，海鳥を自動認識して画像を抽出し，自動的に種判別を行うコンピューターソフトウェアを開発することも可能です。
船の船尾に取り付けた
小型のタイムラプスカメラ
撮影されたカツオドリの画像
社会実装への展望
漁業や運輸，交通といった商業活動を通じて，海鳥類の生態と海の生態系の状態変化を効率的にモニタリングできるシステムの開発に取り組んでいます。生物多様性の保全や持続可能な開発の実現に役立つ技術開発です。