研究テーマ ｜ Research theme
平和学習用没入型タンジブルVRシステムの開発
Development of immersive tangible VR system for peace education
研究概要 ｜ Research summary
本研究では，仮想オブジェクトと物理オブジェクトをシームレスに連動させた相互作用を提供するタンジブル操作によって，創作活動を取り入れた平和学習用没入型タンジブルVRシステムを開発します。本システムは，原爆投下前の建物を3Dプリンタで出力した実物模型を入力インタフェースとして，原爆投下前の街並みを再現することでVR環境にも同様の街並みが構築される仕組みを設けます。さらに，学習者はVRセットを用いて自らが構築したVR環境を探索しながら学習することができます。
In this research, we develop an immersive tangible VR system for peace education that incorporates creative activities by tangible operations that provide interactions that seamlessly link virtual and physical objects. This system uses the building model before dropping the atomic bomb that was output by a 3D printer as the input interface. Also, by reproducing the city before the atomic bomb was dropped into a real environment, a similar city will be constructed in the VR environment. Furthermore, learners can learn while exploring the VR environment they have built using the VR set.
特色・研究成果・今後の展望
- 実物モデルをインタフェースとして，原爆投下前の街並みをVR環境に構築します。現実空間における学習者の活動とVR環境とを相互接続させることによって，より実感を高めた疑似体験の提供を目指しています。
- 学習者自身が構築したVR環境において，複数名が協働的かつ探究的な学びを実践することによって，既存の教材活用にはない，学習者自身が能動的に学べる環境を提供します。
- 学習者の発達段階やこれまでの経験等を考慮した授業をデザインし，実践的に評価することで，本システムの有用性を示すとともに，次世代に向けた平和教育を提案します。
タンジブルVRシステムの試作
社会実装への展望
本研究の遂行により，平和教育を通した新たな学びの形態を創出することができます。また，長崎における原爆投下を題材としたデジタルコンテンツを開発することによって，国内外で広く平和について議論する学習環境の提供が期待できます。