「ものを食べる」ことは健康に大切な役割を果たしますが，歯の喪失に起因してこの能力（＝咀嚼能力）も低下します。.近年，この咀嚼能力の低下を補うために，歯科インプラント治療が多く行われるようになってきました。
一方以前から，インプラントの研究では，インプラントと骨が結合する重要性のみに焦点が当てられており，荷重下でのインプラントデザインや表面性状がインプラント周囲の骨組織にどのような影響を与えるかはほとんど分かっていません。
そこで私たちは，咀嚼機能下におけるインプラントのより良い長期安定性を目指して，インプラントデザインと表面性状がインプラント周囲の骨組織動態に与える影響を解明することを目的として研究を行っています。
Mastication is imperative for body health since chewing capability could be reduced following missing natural teeth. Recently, dental implant treatment has been routinely performed to recover the decrease in chewing capability.
On the other hand, only bone to implant contact has been focused in implant dentistry, which indicates that the effects of implant design and surface modification on bone tissue around dental implants under loaded conditions remain unknown.
Therefore, to establish long term stability of dental implants and clinical success under chewing conditions, the aims of our studies are to investigate and explore the control mechanisms of bone tissue around dental implants via implant design and surface modification.
特色：
一連の研究における一部の研究成果は，長崎大学（当該講座）と大阪大学大学院工学研究科（中野貴由教授・石本卓也准教授）に加え，京セラ株式会社による歯工産学連携で得られたものであり，長崎・大阪大学発の歯科インプラントの開発に成功し，上市できました。
研究成果：
今後の展望：
荷重以外の要因や表面性状に対する骨組織動態の解明を引き続き行い，長期安定性を確保できる歯科インプラントの開発を続けていきます．
歯工産学連携を行って得られた本研究成果から，2017年7月に，新しいデザインを持つ歯科インプラント「FINESIA」が京セラ株式会社から上市され，わが国で販売されています。現在はアジアに向けての販売準備が行われています。