研究テーマ | Research theme

海洋天然物ラメラリンをモデルとした生理活性物質の開発

Development of biologically active compounds based on marine natural products lamellarins

研究者 | Researcher

福田 勉

Fukuda Tsutomu
総合生産科学域
工学研究科
助 教

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研究概要 | Research summary

海洋天然物ラメラリン類は様々な生理活性を示すことが知られています。このラメラリンの生理活性に着目し我々は,海洋天然物ラメラリンを構造モチーフとしたトポイソメラーゼI阻害,キナーゼ阻害,抗HIV阻害に基づく生理活性物質を開発しました。

Marine natural products lamellarins are known to exhibit various biological activities. Having focused on their biological activities, we have developed the biologically active compounds such as topoisomerase I, kinases, and anti-HIV inhibitors possessing the lamellarin scaffolds.


特色・研究成果・今後の展望

海洋天然物ラメラリンは,1985年,Faulknerらにより海洋に生息するベッコウタマガイの一種、Lamellaria sp. から単離された化合物で,独特な複素環構造を持っています。これまでに50種類以上の類似の構造を持った化合物が単離・同定されていますが,これらの多くが様々な生理活性(トポイソメラーゼI阻害活性,プロテインキナーゼ阻害活性,抗HIV活性など)を示します。このラメラリンの興味深い構造や生理活性ゆえ,従来より化学合成研究や創薬研究などが行われてきています。
我々もこのラメラリンの多様な生理活性に着目してラメラリン類の合成研究を進めてきました。その結果,これまでに抗HIV活性を示すラメラリンサルフェート,抗がん活性を示すBBPI,薬剤耐性非小細胞肺がんに対して有効なA環部改変ラメラリンを開発しました。


社会実装への展望

本研究により,ラメラリンをモデルとした抗腫瘍活性物質開発への応用が期待されます。