研究テーマ ｜ Research theme
二酸化炭素を炭素源とする炭素骨格形成反応の開発
Development on Synthetic Methodologies for C-C Bond Formation Utilizing Carbon Dioxide as a Carbon Source
研究概要 ｜ Research summary
環境問題の観点から，二酸化炭素を石油や天然ガス等の枯渇代替資源として活用する技術開発は喫緊の課題の一つです。二酸化炭素を炭素資源へ有効活用できれば，エネルギー創出のブレークスルーとして期待できます。本研究では，二酸化炭素の還元や活性化を利用することで，ギ酸，メタノール，メタンや炭素数が２個以上の有用物質を合成することを目的としています。また，二酸化炭素の連続的変換による有用炭素骨格形成反応にも取り組みます。本研究では，光エネルギーのみならず，水やアルコールの脱水素化型還元反応，電気化学を利用した多電子還元力にも着目しています。効率的な還元反応を行うための触媒設計と反応場構築に重点をおいています。
This project focuses on the development of novel synthetic technologies for new energy resources. For example, we have studied the efficient reduction and conversion of carbon dioxide into the valuable carbon resources. We are aiming at essential innovation by seeking new breakthrough technologies and chemical transformations, in addition to addmissing the perspectives of environmental issues.
特色・研究成果・今後の展望
本研究では，光エネルギーを活用した二酸化炭素の変換技術に取り組んでいます。二酸化炭素の還元によるメタン合成，メタン分子に対する二酸化炭素の挿入反応を検討しています。最終的には，二酸化炭素のみを炭素資源として用いた炭素骨格形成を目指しています。メタンをはじめ単純アルカン類の活性化と二酸化炭素の直接的挿入についても検討しています。不活性なアルカン類の炭素-水素結合を切断し，二酸化炭素とのカップリング反応を促進することが目標です。これまで，アルカン類のsp3炭素-水素結合間への直截的な二酸化炭素の挿入が達成された例は殆どありません。本法が達成されれば，触媒化学・合成化学分野における画期的進歩として波及効果が高いと思われます。
社会実装への展望
本研究によって二酸化炭素のみを炭素資源として用いることで，炭素数が２個以上の有用基幹中間体が合成できます。石油資源から脱去した低炭素社会が期待できます。