研究テーマ | Research theme

[2+2+2]付加環化反応を用いたポリアレーン類の合成

Synthesis of Polyarenes by [2+2+2] Cycloaddition

研究者 | Researcher

小野寺 玄

Onodera Gen
総合生産科学域
工学研究科
准教授

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研究概要 | Research summary

イリジウム触媒を用いたジインとニトリルとの位置選択的な[2+2+2]付加環化反応を応用して,ベンゼン環やピリジン環が連結されたポリアレーン類を合成することに成功しました。従来のハロゲン化アリールを原料とするカップリング反応を用いた手法と比べ,より高分子量のポリアレーンが得られます。また,付加反応であるため副生成物が生成しない環境低負荷型の触媒反応となっています。

Polyarenes bearing benzene ring and pyridine ring have been obtained by using iridium-catalyzed regioselective [2+2+2] cycloaddition of diyne and nitrile. Moleculer weights of these polymers were higher than polymers produced by coupling reaction of haloarenes. This method is environmentally friendly because it is a cycloaddition reaction and gives no by-product.


特色・研究成果・今後の展望

ジイン部分とニトリル部分を併せ持つ分子をモノマーとしてジイン部分とニトリル部分との[2+2+2]付加環化反応を行うことで,ピリジン環を構築しながら分子を連結していく手法です。イリジウム触媒を用いてこの反応を行うと,ほぼ完全に位置選択的に進行します。得られた高分子の数平均分子量は,15000程度になりました。従来法で類似のポリアレーンを合成した場合には分子量が5,000程度にとどまっており,より高分子量のポリアレーンを得ることに成功しました。今後は導入する芳香環の適用範囲を拡大して,多様なポリアレーン類を合成可能であると期待できます。また,詳細な物性を明らかにする必要があります。


社会実装への展望

本研究により,π共役系ポリマー材料の分野での技術開発への応用が期待できます。

企業への一言メッセージ
これまでにあまり合成されていないタイプの芳香族系高分子を作ることが可能です。