電磁波は非金属の物体に浸透します。そのため物体を通過したあるいは反射した電磁波の振幅,位相および形状には,物体の内部情報が含まれています。このことを利用して物体の形状あるいは内部情報を非破壊で検査することが可能です。この技術は様々な産業分野に応用可能です。現在までの主な研究テーマは,鉄筋コンクリート中の詳細な鉄筋探査,道路の水平ひび割れ診断,フレッシュコンクリート診断,土壌の水分検出,地下埋設物の簡易推定法の開発です。現在進行中のテーマも多く含まれています。
Electromagnetic waves penetrate non-metallic objects. Therefore, the internal information of the object is included in the amplitude, phase, and shape of the electromagnetic wave that has passed through or reflected from the object. By utilizing this, it is possible to non-destructively inspect the shape or internal information of an object. This technology can be applied to various industrial fields. The main research themes up to now are detailed rebar survey in reinforced concrete, horizontal crack diagnosis of road, fresh concrete diagnosis, soil moisture detection, and development of simple estimation method for underground buried objects. It also includes many ongoing themes.
図aは土砂崩れ監視用センサーのデータ収集装置です。測定容器に様々な土壌を入れた後に水を入れ,水が下に浸透していく様子をモニタリングしいます。土壌が水分を吸収できる限りは,水が下に流れていくのが確認されます。飽和水量に達すと,上下のアンテナで電磁波がの透過量が等しくなり,飽和水量になったことが確認できるセンサーです。今後は地中に埋める用のアンテナを開発する予定です。
図bは,アスファルトで舗装されたコンクリート中の1mm程度の水平ひび割れを見つける装置です。アスファルトに密着させれば,信号処理なしに,水平ひび割れからの反射波を受信することができます。アスファルト上空6cmからでも信号処理を行うことで,水平ひび割れからの反射波をを受信することができます。なお,この水平ひび割れは現在市販されているコンクリートレーダでは確認することができません。
ここでは,2つの例を挙げましたが,探査対象によって,アンテナの種類やケース,探査手法などを検討します。
本研究により,インフラ維持管理の分野,不純物検知,自然環境のモニタリングなど,様々な分野に応用することが可能です。新しい技術開発のための基礎的なデータ収集なども行います.お気軽に相談してください。