研究テーマ | Research theme

軽量・高強度金属基複合材料の開発

Development of lightweight and high-strength metal matrix composites

研究者 | Researcher

山本 将貴

Yamamoto Masataka
総合生産科学域
工学研究科
物質科学部門
助 教

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研究概要 | Research summary

アルミニウム合金やマグネシウム合金を炭化ケイ素やアルミナなどのセラミックス繊維・粒子と複合化させることによって,高い強度を有する金 属基複合材料の開発に取り組んでいます。
理想的な強度を実現させるためには,金属基複合材料を作製する際に生じる鋳造欠陥を限りなく少なくする必要があります。このためのプロセス最適化を目指しています。

I have developed high-strength metal matrix composites in which matrix metals are aluminium or magnesium alloys and reinforcements are SiC/alumina fibers and particles. In this study, the casting process for reducing cast defects in metal matrix composites should be optimized so that ideal high strengh of the composite are realized.


特色・研究成果・今後の展望

【研究の特色】

  1. 金属基複合材料の作製には,セラミックス繊維・粒子を含むプリフォームに溶融金属を流し込む加圧含浸法を採用しています。
  2. あらかじめプリフォーム中のセラミックス繊維・粒子にマトリックス金属粒子を付着させることにより,濡れ性の悪い組み合わせの金属とセラミックス繊維・粒子でも比較的低圧での溶浸が可能です。
  3. 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて鋳造欠陥や金属/セラミックス繊維・粒子の反応性の評価を行っています。また,強度の評価には三点曲げ試験を行っています。

【研究成果】

  1. 現時点で鋳造欠陥がほとんど存在しない金属基複合材料の最大強化材含有率は体積分率で40%です。
  2. 作製した体積分率40%SiC繊維強化Al-Mg合金基複合材料の比強度は302 MPaを示し,超々ジュラルミンの196 MPaをはるかに凌駕しました。

【今後の展望】


社会実装への展望

本研究により,半導体製造装置や産業用ロボットにおいてアルミニウムやマグネシウムを素材としていた部材の長寿命化が期待できます。また,これまで鋳鉄を利用していた部材に対しては大幅に軽量化できることが期待されます。