球形共鳴器を用いて,-20 ℃から80 ℃までの気体の音速を100 kPaから1 MPaまでの範囲で高精度に測定します。音速のデータからは,熱物性の推算に必要となる理想気体状態の比熱がわかります。また,純粋物資の飽和蒸気圧と混合物の沸点データを0 ℃から80 ℃の範囲で測定します。音速と蒸気圧データを用いると状態方程式のパラメータフィッティングができ,熱物性の予測式を導出することができます。
Speed of sound of gas is measured by a spherical resonator with high accuracy in the range of -20 ℃ to 80 ℃ and 100 kPa to 1 MPa. The isobaric heat capacity in ideal gas state state Cp0 is obtained from sound speed data at the low pressure limit. In addition, the saturated vapour pressure of pure substance and the boiling point pressure of the mixture are measured in the range of 0 ℃ to 80 ℃. The parameter fitting of EOS can be performed by using these data.
エタノール+水混合物の実験データと汎用熱物性予測式による計算結果との比較です。沸点データのみ利用し,音速は利用していません。
球形共鳴器の写真と,水素の音速測定のために共鳴周波数を測定した結果です。鋭いピークが得られ,音速を高精度に測定することができます。
本研究により,既発表のデータのない,またはデータの少ない流体,例えば新冷媒や未利用の作動流体を用いた機器やサイクルの設計やシミュレーションへの応用が期待できます。必要最小限のデータ測定と汎用状態方程式の応用で,熱物性推算式とプログラムを短期間で提供すること,測定の難しいデータの測定など,流体の熱物性測定および推算の技術開発につながります。