研究テーマ | Research theme

地下水・湧水の年代推定研究

Groundwater age dating

研究者 | Researcher

利部 慎

Kagabu Makoto
総合生産科学域
環境科学部
准教授

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研究概要 | Research summary

『水』研究の切り口は多様ですが,私の研究室では特に,目に見えない水資源である「地下水」や,その出口の1つである「湧水」について研究を進めており,こうした水の年代推定や水質分析を基にした水循環機構の解明をテーマに研究をしております。水の年代推定を行うことで,地下水の汚染拡大のプロセスや,水循環のサイクル速度を見積もることができ,健全な水環境の保全や,水資源の持続的利用に貢献できます。また,地下水が「見える化」されることで,安心して使いやすい水資源として注目され,目に見えず実態が不明確だった地下を流れる水資源に対し,大きな付加価値を与えることを目指しております。

My laboratory aims to elucidate the flow mechanism of groundwater and spring water by adopting water quality analysis (e.g. pH, electric conductivity, major ions, trace metal) and isotopic ratio (δ18O, δD) measurement. In addition, though it will take time to acquire skills, my laboratory can also estimate groundwater age by using anthrophogenic gases (e.g. Chlorofluorocarbons, sulfur hexafluoride).


特色・研究成果・今後の展望

近年頻発する降水量の著しい変動により,地表水の量的なコントロールは困難になっておりますが,地下水は帯水層のバッファー的効果のために,量的に安定的な水資源として注目されています。しかし,地下水は目に見えない水資源であるためその実態把握は難しいです。地下水資源を適切に利用するためには,流動状況を把握することが不可欠といえます。その把握のためのこれまでのアプローチは,水質分析や地下水位モニタリング等がメインでしたが,当研究室でチャレンジしている新たなアプローチとして『地下水の年代推定技術』があります。上流(浅部)から下流(深部)にかけて地下水の年代は古くなるため,多地点・多深度における年代推定により,地下水の流動状況がより精緻に可視化できることが期待できます。地下水の流動状況が分かれば,効果的な水源涵養地の整備や周辺の土地利用の計画策定,汚染可能性の効率的な除去が可能となり,地下水資源を利用する水関連企業や行政へ適用が見込まれます。こうした安定的かつ安心した地下水資源の利用を実現することで,地表水に偏りがちな日本の水資源利用の変革に繋げることが期待されます。


社会実装への展望

地下水資源が可視化されることで安心した利用が可能となり,優良な水資源としての価値が高まります。地下水年代が判明することで,企業では適切な地下水資源の開発評価やミネラルウォーターの付加価値付与,行政では量的に安定,質的に安心の地下水資源への移行により,不安定な水資源である地表水からの転換が期待されます。