研究テーマ ｜ Research theme
バイオ3Dプリンティング技術を用いた細胞のみの人工気管の作製と再生医療
Fabrication and regenerative medicine of artificial trachea only by cells using bio 3D printing technology
研究者 ｜ Researcher
研究概要 ｜ Research summary
組織工学による気道の再生は、癌腫、外傷、先天性奇形などの良性または悪性疾患の小児および成人患者の治療に非常に役立ちます。これまでの気道再生の報告では、多くはscaffold=足場材を用いた研究であり、生体適合性や構造体準備期間が長いなど多くの問題があります。
足場材を用いないscaffold-freeで、自己細胞をもちた人工臓器は、特に感染症が多い気道においては、理想的な臓器と考えられます。これによる再生医療を目指し、バイオ３Dプリンター(Regenova🄬)を用いて、ラットから単離した細胞（間葉系幹細胞，軟骨細胞，血管内皮細胞）による気管・気管支の作製とその応用を行ってきました。これまで、人工気管を作製し、ラットへの移植にて、機能的であることを確認しています。今後の臨床応用へ向けて、大型動物（ブタ等）への応用を検討しています。
Tissue-engineered airway regeneration is very useful for treating pediatric and adult patients with benign or malignant diseases such as carcinoma, trauma, and congenital malformations. Most of the reports of airway regeneration so far have been studies using scaffold = scaffolds, and there are many problems such as biocompatibility and long preparation time for structures.
Scaffold-free scaffold-free, autologous artificial organs are considered to be ideal organs, especially in the respiratory tract where there are many infectious diseases. Aiming at the regenerative medicine by this, using a bio 3D printer (Regenova 🄬), the production of the trachea and bronchus by the cells (mesenchymal stem cells, chondrocytes, vascular endothelial cells) isolated from the rat and its application will be performed. It was So far, we have created an artificial trachea and confirmed its functionality by transplanting it into rats. We are studying application to large animals (pigs, etc.) for future clinical applications.
特色・研究成果・今後の展望
当科ではこれまで気管や食道などの再生医療を手掛け報告してきました。当科(町野ら，谷口ら)1)が報告しているように，これまでヒトおよびラットの細胞を用いてバイオ３Dプリンターを用いて作製した気管・気管支構造体の作成とラットへの移植を行ってきています。これらの人工気管は，生着し，機能した上で，１年以上の生存が確認できています。今後は，さらになる品質の向上のため，ドラッグデリバリーシステム（DDS）をもちいた構造体の作製を行っています。また，大型動物（ブタなど）への応用を検討しています。
社会実装への展望
気管の疾患の治療として，気管移植がありますが，安全で確実な方法は未だ確立されていません。自己の細胞のみからなる我々の方法がヒトでも応用できれば，再生医療という分野ではブレークスルーとなります。
◎企業への一言メッセージ
また，大動物実験，細胞のみからなる構造物の作製など，医療機器開発，細胞治療の開発など幅広く対応が可能です。