都市部のリウマチ専門施設へ頻繁な通院が困難な長崎県のへき地・離島に住むRA患者を対象として,AIとIoTを活用した専門的多職種とかかりつけ医による遠隔診療の実践を試みます。これらの活用に関しては,マイロソフト社の協力を受けます。マイクロソフト社のAIとIoTの最新技術を活用することで,複合現実(Mixed Reality;MR)において都市部のリウマチ専門医とへき地・離島のRA患者/かかりつけ医との間で問診のみならず身体診察を含む遠隔診療が可能となります。
We are going to develop the ideal remote medical system toward rheumatoid arthritis (RA) patients, living in remote areas and remote islands of Nagasaki prefecture, difficult to visit medical institutions specialized for rheumatology (rheumatology specialist teams) in the urban area, by IoT and AI. This preoject will be collaborated with the Microsoft Corporation, the world leader in AI and IoT.Using the latest technologies of Microsoft (Azure, Kinect, and HoloLens), we are going to establish the ideal remote medical system through the mixed reality (MR) between RA patients/home doctors in remote areas and remote islands and rheumatology specialist teams in urban areas.
近年,リウマチ医療は高度化し,多職種による専門性の高い複合的な患者マネージメントが必要となりました。国際学会のレコメンデーションやガイドラインでは,RA患者の治療は最良のケアを目的とすべきであり,患者とリウマチ医の共同決定に基いていなければならないと述べられていますが,、長崎県はへき地・離島が多く,かつ,そこに居住する患者は高齢化し,リウマチ専門医が多い都市部への通院は物理的に極めて困難で,これが高水準なリウマチ医療を提供する障壁となっています。そこで今回,AIとIoTを活用し,世界初の複合現実(MR)技術を取り入れたリウマチ遠隔診療を実践し,この問題の解決を図ります。MRを用いることで,へき地・離島のリウマチ患者も,“離島・へき地のかかりつけ医院(病院)”にいながらにして,“都市部のリウマチ専門医院(病院)”と同等のリウマチ医療を享受できます。また,離島・へき地のかかりつけ医(非専門医)と医療関係者においても,最新のリウマチ診療を体験することでその診療レベルの向上が大いに期待されます。
このプロジェクトは“地域で患者さんを診る”日本の医療構想に合致します。急速に高齢化が進む長崎県のへき地・離島は,近未来の日本の超高齢化社会の縮図とも言われており,本プロジェクトはリウマチ診療のみならず,近未来の日本の医療のロールモデルになる可能性を大いに秘めています。